Norah Jones : Come Away With Me (2002) / ノラ・ジョーンズ

ジャズのスタイルを取りながら、ソウル、カントリー、フォーク、ポップスなど、米国ポピュラーミュージックのサウンドを取り入れたデビューアルバム『Come away with me』(邦題:『ノラ・ジョーンズ』)が1800万枚を売り上げ、グラミー賞では主要4部門を含めノミネート部門すべてで受賞し8冠を獲得。ビルボードのコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで143週連続1位(2002年3月16日付〜2004年12月4日付)を記録するなどの記録を残した。

ジャズの名門レーベル<ブルーノート>から、ニューヨーク出身の女性シンガー、ノラ・ジョーンズ(23歳)がデビュー。5歳で教会の合唱隊に参加し、高校在学中に学生音楽賞の<最優秀ジャズヴォーカリスト賞>、<最優秀オリジナル作曲賞>を獲得。自らソングライティングやアレンジも手がけるデビューアルバムは、ジャジーでスモーキーなヴォーカルを披露するムーディなファーストカット「ドント・ノー・ホワイ」、哀愁のピアノでじっくり歌う「ワン・フライト・ダウン」など、ジャズやソウルをベースにスタイリッシュな世界を繰り広げている。(速藤年正)

 ・ amazon : Come Away With Me

22歳には思えない成熟したノラ・ジョーンズの声色だけのアルバムではない。確かな歌い回しと正確にタイミングを見計らっている様は、もっと年季の入ったシンガーのようでもある。彼女の歌声はすぐに聞き分けられる。ビリー・ホリデーとニーナ・シモンを混ぜあわせたようでいて、ノラにしか聞こえない声。どこを切っても、彼女だとわかるシンガーだ。ハンク・ウィリアムズの定番「Cold Cold Heart」、そしてホーギー・カーマイケル「The Nearness of You」の解釈だけでも、このCDの価格の元は取れる。ジョーンズ自身の曲も悪くないが、こうした傑作の前では少々かすんでしまう。彼女とプロデューサーのアリフ・マーディンが、ビル・フリードマン、ケヴィン・ブレイト、ブライアン・ブレイドと言ったときめくような奏者たちを充分に生かし、もっと生き生きとしたアレンジを試みていれば、あるいは曲そのものをあまり簡潔にしすぎなければ、さらに良くなったことだろう。ジョーンズにはすべての才能が揃っている。あとは経験を積み、JJケールやシャーリー・ホーンのようなアーティストを入念に聞き込めば、眠たげに聞こえることもなくぴりっとした低音の魅力が保てるはずだ。いや、それ以上の輝きが期待できるだろう。(Michael Ross, Amazon.com)

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ディスク:1
1. ドント・ノー・ホワイ
2. セヴン・イヤーズ
3. コールド・コールド・ハート
4. フィーリン・ザ・セイム・ウェイ
5. カム・アウェイ・ウィズ・ミー
6. シュート・ザ・ムーン
7. ターン・ミー・オン
8. ローンスター
9. アイヴ・ガット・トゥ・シー・ユー・アゲイン
10. ペインター・ソング
11. ワン・フライト・ダウン
12. ナイチンゲール
13. ザ・ロング・デイ・イズ・オーヴァー
14. ザ・ニアネス・オブ・ユー
15. ホワット・アム・アイ・トゥ・ユー (ボーナス・トラック)